ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

第十四部 侵入取材 銀座のレストラン残酷物語 2015年

 

 潜入取材 銀座のレストラン残酷物語 その4 2015/6/25

 

この話は事実を元に書かれています。

実際にその会社に就職して体験した事実を報告します。

二度と私のような犠牲者を出してはいけないという思いです。

この会社の支配人(店長職)は、何十人も1か月以内に退職している。

その理由が「うつ病になって」である。

 

いまどき、こんな会社があったのか!!

 

2015年5月1日(金)初出勤の日

本社研修開始

午後2時ごろから、

研修と言われて、明日の会議のセットを一人でさせられた。

私への対応は配ぜん人以下である。

セットが終わったら、日本料理レストランに戻る。

午後6時ごろ、初老の男性が来た。

「今日からお世話になっているヤナギです」とあいさつすると

「おー」とだけ返事するこの人は、

この会社の常務取締役Uでこのレストランの総支配人のようだ。

その後もまったくしゃべらない。

 

私の疑問

入社初日に、組織を理解してない。

本社内にあるレストランは3か所で、それ以外の支店のことが分からない。

会長と言われるカリスマ経営者には会っていない。

私のシフトの話は一切なし。

今日は何時までか、明日は何時からか、休みがあるのかないのか。

そして、誰かに聞く雰囲気ではない。

 

この日の夜の日本料理レストランは、1組も来なかった。

 

誰も来ないレストランにずっと立たされていた。

午後8時半のオーダーストップの時間になって、

常務Uから「明日は月に一回の全社会議があるので、午前7時半に出社するように」

明日の早朝出勤を、午後8時半に聞かされた。

何の会議かもわからない。

 

「ま、いいか」

「なるようになるんだろうな」

 

そう思っていたら、常務Uは突然こう言った。

「今日は帰っていい」

え、今後この人の指示で動くのだろうか?

 

これまでの人生で数多くの上司に仕えて生きたが、

この上司と思われる人は嫌だ!

 

と言うことで、帰ることになった。

「では失礼します」と誰もいないレストランで呟いて外に出た。

午後9時の銀座です。

ゴールデンウイークなので人も歩いていない。

 

湘南の自宅に戻ったのは、午後11時を回っていた。

 

明日の午前7時半に銀座に行くには、午前4時半に起きなければならない。

 

入社、初日を終えて、かなり気が重い状況になった。

 

 

これから、常識では経験できない数々の出来事に出合う。

 

 

つづく

 

 

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