ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

第十四部 侵入取材 銀座のレストラン残酷物語 2015年

 

 潜入取材 銀座のレストラン残酷物語 その16 2015/8/11

 

この話は事実を元に書かれています。

実際にその会社に就職して体験した事実を報告します。

二度と私のような犠牲者を出してはいけないという思いです。

この会社の支配人(店長職)は、何十人も1か月以内に退職している。

その理由が「うつ病になって」である。

いまどき、こんな会社があったのか!!

 

厳しい売上追及でスタッフが自腹を切る事実発見

 

私が支配人にて入社するまで、支配人不在の店であった。

売上予算とは別に、必ず売らねばならない金額が決められていた。

平日8万円、土日11万円+宴会などの予約金額=本日の売上目標

 

予約がない日の平日ディナー営業では8万円を必ず売れと言うこと。

 

ある日の午後8時ごろ

レジを打つスタッフがこう言った。

係「今日の売上に1万5千円足りません」

私「え、この状況ならしょうがないよ」

係「いつもスタッフで自腹を切って売上を上げています」

私「ええええええ??」

私「いつもそうしているの」

係「はい、その日に、売上を補てんして、後日、賄の代わりに食べるんです」

 

私は、この日のマイナス金額、1万5千円を払った。

後日、

月をまたぐといけないので、家族を誘ってすき焼きを食べに来た。

先付

和牛肉

美味しそうに見えますね。

すき焼きは係の方が焼いてくれます。

このすき焼きの食後の感想は、割したが甘すぎる。

しかし、この店で勝手に変えることはできない。

このコースは、一人2,800円という値ごろ感です。(4名利用、税金サービス料18%別)

ドリンクを頼んだので、1,5000円では収まらなかった。

 

この売上補てん自腹食事会で分かったことがある。

なぜ、2,800円でこのコースを売っているのか?

過去の客単価5,000円の料理が売れなくなっている。

宴会料理で飲み放題付きで5,000円という商品がある。

これが宴会需要の下落で、売上が上がらない毎日がつづく。

苦し紛れに出したこの価格の商品だが、

売れると客単価が落ちて売上も積みあがっていかない。

 

このレストランの問題は、今日のゲスト満足度の問題。

 

こんな問題も気づかないまま、現場を見に来ないで「売上は?」と聞くだけの、

会社の社長は何なんだ!

思いつきの案(2,800円コース)だけだして、現場を締め付けるだけの社長。

 

今も続いていると思う・・・。

スタッフの売上補てんの現実を社長は知らない。

 

つづく

 

 

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