ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

第十四部 侵入取材 銀座のレストラン残酷物語 2015年

 

 潜入取材 銀座のレストラン残酷物語 その15 2015/8/4

 

この話は事実を元に書かれています。

実際にその会社に就職して体験した事実を報告します。

二度と私のような犠牲者を出してはいけないという思いです。

この会社の支配人(店長職)は、何十人も1か月以内に退職している。

その理由が「うつ病になって」である。

いまどき、こんな会社があったのか!!

 

会社が主催の「母の日」を祝う会。(会費9,000円)

2015年5月10日(午後4時から)

出席は、会長、会長妻、社長、社長妻、小さな子供たち。

役員の妻たち、役員、支配人、料理長で30名。

 

まさに映画「ゴットファザー」の結婚式のシーンに見えた。

 

営業中のイタリアレストランに長テーブルを組んで始める。

会長ファミリーのシルバーもグラスも、我々とはちがう。

 

会長ファミリーだけが明らかに別格と言う演出。

 

料理担当は娘婿の専務。

この関係で、フレンチとイタリアンの待遇が極端に違うらしい。

娘婿はイタリアにて修業して、会長ファミリーに入ったのかもしれない。

 

スパークリングワインで乾杯した。

 

いきなり会長が怒鳴りだす。

「〇○よ、おれの指示を聞き流しやがって・・・!!」

「40年間も会社をだまして悪いことばかりやりやがって!!」

 

これは、一般のゲストがいるレストラン内での怒鳴りだ。

レストラン内に響き渡る。

 

完全に狂っている。

午後4時過ぎに会食開始。

ファミリーが作る料理は、会長たちが絶賛する。

「これ、おいしいわね」

 

訳のわからない料理だ。

会長は役員を名指しで怒鳴り続けている。

私も間もなくあのように怒鳴られるのだろうか。

冷たいスープ。

役員はサービスが遅れているのを気にしてインカムで指示を出している。

こんなに異常な会食は初めてだ。

飲み物はウーロン茶。

決しておいしい料理ではない。

 

会長は料理長を名指して、怒鳴りだしている。

社長も相槌を打ちながら、訳の分からない話をしている。

 

 

この料理が看板レストランのレベルとは驚いた。

 

私も名指しで呼ばれた。

さすがにいきなりは怒鳴られなかったが、

腹から力を入れて「はい!」と答えないと怒鳴られる。

 

以後、会長は同じことを繰り返し怒鳴って・・・・。

 

午後9時が終了時間である。

 

この5時間は地獄と思える時間であった。

 

怒鳴られて、9,000円も払わされるなんて許せない。

(不参加は許されない雰囲気だ)

 

こんなチームで、飲食店を経営していることが不思議だ。

 

役員たちは40年間、このような会を続けているので何とも思っていない。

 

多忙な母の日の(日曜日)、幹部全員が集まって会食することに何に意味があるのか。

後でわかったのだが「新入り社員の洗脳の演出」であった。

 

まさに宗教会社に入ってしまったことを実感した。

 

つづく

 

 

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