ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第五部 福島ホテル&ゴルフリゾートビジネス 1997年〜1998年

2001/11/27  更新

スキー場で働こう

このゴルフ&リゾートホテルは、12月には雪が降りゴルフができない。この会社はホテルのオペレーションなど知らない。

私が赴任する前の年にも冬は営業を止めていた。ギャディは一時的に解雇となる。クローズ期間に社員は施設内で研修をしていた。

1ヶ月400万円の施設維持費をかけた研修である。この研修がいかにみっともないものかは、研修後に半数の社員がやめていった事実でわかる。

シーズン中に来るお客様は1部上場企業の役員クラス。このお客様がどんなに偉いかなどだれもわかっていない。(都会のホテルではVIPリストに載る)

私が考えたことは、クローズ期間の3ヶ月間全従業員をスキー場に研修に出す。ご存知のようにスキー場には、学生や若い人が多くやってられないサービスになる。

その環境下で3ヶ月も研修すれば、自分の施設のお客様がいかにすごいかわかってもらえるはず。

私は自分でスキー場まで出向き、直接交渉した。そして2つのスキー場から研修受入の返事をもらった。

会社はこの従業員に給料を払っている。スキー場に行かなくても払っている。私が考えたことは研修という名目で働かせてスキー場から給料をもらうことだ。

50名を3ヶ月研修に出して、スキー場から3000万円もらえるように交渉したのだ。施設維持費の1200万円も節約に加えると4200万円も経費を節約することになる。

全社員を前に説明をした。「スキー場での仕事は辛いかもしれないが、きっと来年のオープンにはいいサービスができるようになる。全員で頑張ろうではないか」

そして私が考えた「スキー場で働こう」の研修が実施された。

 

この原稿は2001年作成

2006年再読

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