ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第五部 福島ホテル&ゴルフリゾートビジネス 1997年〜1998年

2001/11/14  更新

研修生受入で経費半減

私が赴任する直前の経費レポートをチェックした。料飲部は極度の人手不足で配膳スタッフを雇わなくてはならない。

その1月分の支払いが535万円である。これは、料飲人件費の42%と高い。

自前でスタッフを募集しようと50万円かけて募集広告をだした。結果、全くの素人が2名来ただけであった。(後に社長から解雇されてしまった)

このような状況ではオペレーション出来ないことは明解である。

その時、人脈からの情報を得た。それは来年4月に那須に新しいホテルがオープンする。その研修生を受け入れる話。

交渉の結果、配膳会と同じ人数が月100万円の経費で雇うととした。これは、私が「一流志向でオペレーションしている」と言ったら、「この人に預ければ間違いなし」という評価になったため。

これにより、冬のクローズまでの人員確保ができた。あのまま配膳会を雇い続けるよりも、4ヶ月で1600万円もの経費の節約となる。

本社からいちいち細かい指示が来なくなった半月間で、調達費用の見直しで年間1000万円の経費節約。料飲人件費は4ヶ月で1600万円の節約。

この結果に対して「ありがとう」や「よくやった」などの言葉は一切なし。逆にジリジリFAXによる細かい指示が増えてきた。

月1回の本社会議で、来年度の運営基本方針を説明している時に、社長は「あ、そうだ犬小屋買った?」と言った。お話にならない。

 

この原稿は2001年作成

2006年再読

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