ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第五部 福島ホテル&ゴルフリゾートビジネス 1997年〜1998年

2001/11/9  更新

これが経費の現状だ

本社からの指示がなくなった。ようやく総支配人としての仕事に取り組めると喜んだ。

ここの売上をすぐに上げることはできない。現状のオペレーションでも人出が足らずに苦労している。ゴルフは地道なセールスが必要なのでそう簡単に事は運ばない。

このリゾートは雪が降るため12月中旬頃から3月中旬までゴルフができない。その間に、組織を立て直して売上増を狙うこととした。

よって今考えることは来年の3月から実施する営業方針である。これも詳細な戦略を盛り込みほぼ結果が出るものを作成した。

今できることは経費の見直しである。ホテル部門とゴルフ部門と料飲部門の仕入を全て調べた。

事務所に置かれている電卓は、7,980円です。新橋のディスカウントショップで買えば1,200円です。その他の事務用品も私の常識で考える2倍の値段で仕入れている。

聞けば町の文房具屋に注文して配達させている。ここ以外の見積も取っていない。信じられない事実にびっくり。

ゴルフ場でのお客様プレゼントのスコアカードやピンなどは、他のゴルフ場の5倍もするものを造っていた。バブルの頃の1人5万円もらえた時の物を、2万円を切った今も同じように注文している。

こんな非常識な調達をしていることに、本社も現地も気づかなかったのか。

東京本社では10名の取締役の前で、私に向って「赤字をなくすには人件費の削減や!残業させるな!配膳切れ!」と5時間も怒鳴っている人がやっている会社の事実です。

私が指摘した項目だけの仕入を変えても、年間1千万円以上の節約になる。

私より年上の○○課長にこう言った。「こんな高い電卓を買っていたらあかんでしょ。もう少し考えてしてくれよ」

○○課長は「私は、一生懸命やっています」と言った。いいやつなのに・・・。

 

この原稿は2001年作成

 

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