ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」
第五部 福島ホテル&ゴルフリゾートビジネス 1997年〜1998年
2001/11/5 更新
総支配人とは 総支配人として勤務を始めて3ヵ月後の1997年8月に出向元ホテル宛に送ったレポートである。例えとして適切ではないが現状が分かりやすいので原文を掲載する。 このリゾートのハードウェアは、アメリカの大リーグスタジアムとして通用する立派なものである。このリゾートに来られるお客様は、大リーグの試合を期待している。 しかし、現状のチームの実力は全戦全敗である。(損益分岐点をも達成したことがない)そして、観客を楽しませる試合(サービス全般)ができない。 したがって、大リーグのスタジアムでプレーする福島草野球チームである。このプレーを見せられる観客はいつも満足しない。次第に観客が減ってくる。 そこに、シーズン途中ながら、プロ野球経験のある監督(総支配人)が前監督と交代した。新監督の判断は、今シーズンの試合はどう頑張っても勝てない。残り試合を消化試合と割り切る。 来シーズンは大型トレードで戦力補強やキャンプでの内容を充実させる必要性を何度も説明した。 しかし、フロント(本社社長や部長)はこれらの説明に対し全くの無反応を続けている。 しかも、今やっている試合に対し、ピッチャーの投球フォームが悪い、ファーストミットの紐が外れている、外野の守備が5メートル右に寄っているなどの指示を新監督に出し続けている。 現在の選手は、草野球の実力で十分と考えている。プロの練習を始めようとすると道具を捨てて辞めると言う。 実際のプレーヤーはエラーしてもなんとも思わないアルバイトプレーヤー(配膳スタッフ)である。 ここにフロントと現場に大きな溝があり、かなり大きな問題が存在する。フロントは、たとえシーズン途中でも監督が代われば観客が喜ぶ試合ができると思っている。あわよくば勝てたらラッキーとも思っている。 監督交代一ヵ月後に、フロントは「観客の苦情は全て監督の責任である」と公言している。これまでこのような状況にした前監督までも、選手の前で「全て新監督の責任」と吹いている。 もし、この状況で監督を続けても試合には勝てないし、観客が喜ぶチームには成りえない。又、これ以上監督を続けても全ての責任を転嫁される。 そうなると監督派遣ホテルの責任と騒ぎ立てられ大問題に発展する。 この内容は全て事実である。私はこのレポートを正式に派遣元ホテルに提出した。(精神的にもおかしくなっていたのでしょう)可愛そうな総支配人。
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この原稿は2001年作成
2006年再読