ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」
第五部 福島ホテル&ゴルフリゾートビジネス 1997年〜1998年
2001/10/19 更新
ゴルフ会員システムのカラクリ 皆様、バブルの頃に首都圏でゴルフをしようと思えばいくら必要だったか覚えていますか。1人5万円払っても予約が取れなかった。 ゴルフをしようと思えば、会員権を購入するか、会員の人と一緒にプレーしなければならなかった。よって人々は会員権を求めるようになった。 やがてゴルフ会員権相場は高騰して投資の対象となった。ますます会員権が買えなくなった。当初1000万円で売られた会員権が1億以上の値段で売買されているのだから。 そのような時に、会社オーナーの夢は自分のゴルフ場を持つことである。ゴルフ場開発費用は会員権の販売でまかなえる。 たとえ開発費用が300億円必要でも、1000万円の会員権を3000人に売ればいいのだから。簡単に売れた時代である こうして造ったゴルフ場は、開業すれば1人5万円ももらえるので簡単に黒字経営ができた。 私が出向したゴルフリゾート会社の親会社は○○会社である。社長は1人で大きな会社に育てた。社長はゴルフが趣味で有名ゴルフ場の会員権をいくつも所有している。 そして社長は、この会員権のカラクリをを利用して、世間がびっくりする豪華なゴルフリゾートを造ろうと思った。 世界中のリゾートを廻って理想のホテル&ゴルフリゾート地を捜し求めた。とうとうアメリカのウエストバージニア州に大統領が利用する一流のリゾート施設を見つけた。 このリゾートと正式な提携契約を結び、世界一流のホテル&ゴルフリゾートの計画がまとまった。 時はバブルの真っ只中。銀行が全額開発費用を出して、この超豪華なホテル&ゴルフリゾートは着手された。 本来なら計画段階で会員権を販売する。開業までに投資全額を回収する。しかしこの社長は計画に絶対的な自信を持っていた。よって完成まで会員権を販売しなかった。 そしてばバブルがはじけた1994年グランドオープンを迎えた。もう幾らでも売れた会員権の販売はできなかった。 そこで日本で1番有名なホテルにオペレーションを依頼してオープンした。(つづく)
|
この原稿は2001年作成
2006年再読