ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

第十一部 ダメ社長の挑戦 2007年〜

カルボナーラ復活への挑戦 その2 2007/8/18

2005年2月23日

横浜・根岸にあったイタリア料理の名店「TAIAN」が閉店した。

2007年8月のある日、

ある地方都市で、第一回TAIANメニュー開発会議が行われた。

初めて知ったが、あの伝説のメニューは一切記録されていない。

元オーナーシェフのKENJIさんから直接ご教授を受けなければならない。

身振り手振りで、一生懸命メニューを語るKENJIさん。

必死でメモを取る管理人。

 

TAIANのメニューは、私の想像をはるかに超える奇抜なアイデアから生まれていた。

ブイヨンの取り方、トマトソースの分量、コンソメの注意事項と解説が進む。

あるメニューのオイルの量は、「カキ氷で使うシロップスプーン1杯です」

「え、何ですかそれは」

「カキ氷のシロップをすくう、レードルを知っていますか」

「はい」

「あれを使って1杯すくうのです」

途中から爆笑の渦を巻き起こして、かなり楽しい会議となりました。

約6時間、ぶっ続けの会議はようやく終わった。

そりゃそうですよね、10年かかって開発されたTAIANのメニューを、

たった6時間で教わろうと言う無茶な企画である。

 

そしてあの「スパゲティ カルボナーラ」の作り方も教わった。

果たして再現できるのでしょうか?

 

ようやくグランドメニューの聞き取りが終わった。

これからこのメニューを製造できる調理場を作る。

調理する器具を購入する。鍋やフライパンなどの調理道具を揃える。

これからこの施設の中が、慌ただしくなってゆく。

 

第十一部目次へ