ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」  

第十一部 ダメ社長の挑戦 2007年〜

 

経営革新支援への挑戦 その1 2007/8/2

ちょうど独立起業して1年が経過した頃、ある老舗の企業を率いる会長様より厳しいお言葉をいただいた。

「いくらブランドのあるホテルで実績を上げようが、有名なブライダル企業で活躍しようが、今の貴方はただの人だよ。過去の実績など誰も信用してないよ。」

過去の実績をホームページや会社案内でアピールしても誰も信じない。経営コンサルタントと名刺に書こうが誰も信用しない。

すべてが信用されなかったわけではないが、概ね信用されていなかったと素直に反省する。

では、起業して1年しか経っていない私を、世間様に信用していただくためにはどうすればよいのでしょうか。

東京都産業労働局のパンフレットに「中小企業革新に向けて」というタイトルの物があった。サブタイトルは「中小企業を応援します!」と書かれている。

経営革新支援とは?

「経営革新支援」は新商品の開発や新サービスの提供などの新たな取り組みにチャレンジし、経営の向上を図る中小企業を全業種にわたって幅広く支援する制度です。

経営革新計画の承認を受けることにより、事業資金や税制など多様な側面に対する支援が期待できます。

分かりやすく言うと、国が「やる気のある中小企業に集中して支援をしますよ」という法律があるということ。

単純なダメ社長の私は、わが社のやる気を国に認めてもらおうと行動を起したのである。初めて東京都庁に出向いたのであった。

私のやる気を国に認めてもらって、世間一般に信用されるようになりたい。

都庁のインフォメーションで、「東京都産業労働局商工部経営支援課」はどこにあるのでしょうか」と尋ねた。「北タワーの30階でございます」と教えられて30階へ上がった。

ダメ社長「あのー、経営革新計画の申請をしたいのですが」、係りの方「アポイントは何時でございますか」、ダメ社長「アポイントはありません」、係り「出直してきてください」

こうしてダメ社長は、やる気のあるところを国に認めさせようと、無謀な挑戦が始まった。

つづく

 

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