ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

第六部 関東ブライダルビジネス 1999年〜2002年

2002/3/2 更新 

ホテルの格は組数より平均人数

ホテルマン同士の会合がある。お互いが実績の探りあいをやっている。ブライダル関係者の話題は「何組取ったの」である。

ホテルの経営者も婚礼組数で担当者を評価している。よって担当者は自分の評価をよくするために組数を増やすことに努力する。

招待客のマーケットでは50名〜80名が全体の50%を占める。本来ホテルは80名以上を選んで売上を上げていた。

大中の宴会場を使い多くの人を招待する両家を相手に商売していた。ところが最近では大人数の婚礼が減少している。

私の調査では、100名以上の招待婚礼は10%以下になっている。ホテルマンが組数を上げるために考えたことは、スイートルームでの少人数婚礼を取ることである。

10名の婚礼でも1件としてカウントすることだ。そして婚礼件数を上げるというトリックを考えた。これにより確かに組数は上がるが、全体の売上は下がっている。

私は断言する。ホテルの格は組数よりも平均人数だ。なりふりかまわず組数を上げるためにやっていることが自分達のホテルの格を落としている。

やがて業績が急降下をたどることになる。

千葉県浦安市に年間2900組を受注するホテルがある。業界では成功事例研究に登場してホテルブライダル成功の本も出ている。

ホテル業界では2900組も取れるホテルとして大変評価している。このホテルは業界からより多くの評価を取るために3000組獲得と公言している。

2002年度は3000組獲得のためにゲストハウスを建てたりして勢いが感じられる。

ところが、このホテルは少人数の割引プランをある結婚専門誌に公表した。この雑誌を見た時、私はこのホテルの時代は終わったと思った。

ホテルマンの皆様、このホテルの今後を見守っていただきたい。間違いなく平均人数を落として組数も激減する。

組数を上げるためにホテルの格を落とし、やがて組数も大幅に落とすことになる。

 

怖いくらいに当たっていますね。原因はそれだけではなかったのでしょうが。(2006年9月)

 

この原稿は2002年作成 2006年再読

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