ホテルマンの駆込み寺「まんぷく寺」

管理人 柳 信幸 からのご挨拶  2022/4/19更新

 

私がブライダルを辞めた理由

  

私は、このサイトで20年間もブライダル情報を提供してきた。

そして、ブログ「ブライダル最前線」も13年間続けてきた。

その目的は、全国展開する、ハウスウエディング新興企業にマーケットを奪われた、

既存のホテル・結婚式場に対策情報を提供する事であった。

 

なぜ、多くのマーケットをハウスウエディング企業に奪われたのか?

知名度のなかった新興企業は、リクルート社の発行する「ゼクシィ」を徹底的に利用した。

ブライダルビジネスの最も重要な「集客」に多額のコストをかけた。

結婚情報誌「ゼクシィ」の大躍進とともに成長を続けてきた。

結果、複数のハウスウエディング企業は、株式の上場を果たし、年間約2,000億円も売上げた。

しかし、昔からその地で営業するホテルや結婚式場はゼクシィに多額のコストを払えなかった。

 

地元で長年営業を続けるホテルや結婚式場で、もっとも大切なことは「信用」である。

 

それが突然、その地に現れて、ゼクシィに大量広告を出す新興企業。

何でもありのゼクシィ広告の罪は深い。

そのゼクシィ広告は、現実的でない広告用だけのイメージ写真を掲載。

 総額〇〇万円OFFなどと、常識を超えた見せかけだけの割引。

集客のためならなんでもあり。ゼクシィも目をつぶるきわどい広告。

 

逆に、決算報告書では、客単価アップの強引な営業の成功話。

利益確保の経費節約策で企業評価を高める。

そうした結果、業界としてゼクシィに年間500億円も払っていた事実。

 

この間、私は20年間ずっと「ゼクシィは敵だ」と言い続けてきた。

 

私は、2015年から続けたブライダル施設徹底研究。

毎週ブライダル施設を調べた結果、

結婚式をやらない人が50%になっている。

高額なご祝儀制度のため、結婚式への招待を拒む人多数。

 

ゼクシィへの高額な広告費のために利益を圧迫、

結果、結婚式のゲスト満足度がどんどん下がってきた。

 

2020年新年から始まった、新型コロナの大流行。

業界として、これまで経験したことがない壊滅的な影響を受けた。

2020年度は、ゼクシィも前年度比30%も売上げを落とした。

 

あれから2年、

新興上場企業は、2022年の営業予測を黒字と発表。

 

2022年2月号 全国のゼクシィをチェック。

黒字を予測する新興企業のほとんどが、これまで以上の大量広告を出した。

これは、これからのブライダルビジネスは、ゼクシィに頼るしか方法がないと言っているようなもの。

勿論、ゼクシィもテレビCMなどで徹底的に告知活動を行っている。(すべて自社のため)

 

ブライダルビジネス4つのフェーズ(まんぷく寺発表)

1.集客 2.新規営業 3.打合せ 4.当日施行

1の集客がなければ、全てが始まらない。

その最も重要な集客をゼクシィに仕切られた。

 

これでブライダル業界は、集客できる支配人を作ることをあきらめた。

ハウスウエディング会場の支配人は、単なる苦情係になってしまう。

施設見学に来たカップルに、行う営業は決めるためには何でもありに。

会社の業績向上の為に、強引に客単価を上げさせられる。

当日は、苦情を抑えるために守りのサービス。

 

今後、人手不足が補足されることはないだろう。

新入社員(中途採用も)の離職率は劇的に上がる。

 

しかし、上場会社は利益確保のため無理な営業を続ける。

 

すでに、ブライダルスタッフは、たんなる消耗品になっている。

 

上場している新興企業が、ゼクシィに大量広告を出し続けることで、

長くその地で営業を続けてきたホテルや結婚式場が営業できなくなる。

信用を大切にしてきたホテル、結婚式場が倒産して、

 

ゼクシィに大量広告を出し続ける企業が残っていく。

そこに、次世代、業界を背負う人材は育ってこない。

 

私が20年間言い続けてきたことが全く無意味だった。

私もすでに65歳。私が死ぬまでブライダル業界はもう変わらない。

 

これが、私がブライダルを辞めた理由。

 

私が神戸元町の不二家レストランで働き始めてから50年経過。

その間、食べ物商売一筋。

 

 

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